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治験とは、薬の効果や安全性、治療法を確認するための臨床試験のことです。例えば、製薬会社はまず治験の結果を厚生労働省に申請します。その結果、薬として承認されて初めて、薬として使われるようになります。
治験バイトは、東京でも大阪でも行われています。そこでは、新薬開発のための臨床試験のモニターが行われます。また治験コーディネーター(CRC)は、医療機関と製薬会社、患者さんの間に立ちます。そしてスムーズに進行するようにサポートします。
安全性が求められ、医薬品医療機器等法に従って行われます。この法律では、患者さんの人権と安全性が厳格に順守されるための様々なルールが定められています。
本記事では、治験について詳しく解説します。
1. 治験とは
1-1. 薬の素材を探し出す
1-1-1. 植物や動物、微生物などから薬の素材を探し出す
薬を作る最初のプロセスは、様々な「薬の素材」を探し出すことです。昔は薬の元となる成分は、植物や動物、海洋生物、土中の菌などの天然素材から抽出していました。例えば熱を下げたり、痛みを抑える効果があるアスピリンは、古代インドやギリシャで白ヤナギの樹皮から生まれました。また多くの感染症に効果があるペニシリンは、アオカビの成分から生まれました。
1-1-2. 化合物から薬の素材を探し出す
現代では、「化合物ライブラリー」と「ハイスループットスクリーニング」という開発システムを組み合わせて、薬の素材を探し出しています。例えば各製薬会社は、過去の研究結果に基づく化合物ライブラリーを所有しています。これを自動的に高速で「選別」「ふるい分け」し、薬の素材を探し出します。近年は新薬開発の高度化や開発コストの上昇を背景に、各製薬会社の化合物ライブラリーの外部開放と相互利用の動きが、活発化しています。
1-1-3. 化合物のスクリーニングをコンピュータ上で行う
この手法は、まず数百万もの化合物をコンピュータ上に作製します。次に、シミュレーションによりスクリーニングを行います。そして選別・ふるい分けされた物質だけを実際に化学合成し、スクリーニングをします。この手法の大きな特徴は、薬の素材が見つかる確率が高いことです。
1-2. 効果と安全性を調べる
こららの方法で発見された薬の素材の開発の最終段階では、人に対する効果と安全性を調べる必要があります。そのため、健康な人や患者さんの協力のもとに、治験が行われます。
この結果を国が審査し、治療にとっての必要性と安全性が認められたものが、正式に薬と認可されます。
1-3. 治験の意味
意味を端的にいうと、「新しい薬を開発するための人で効果や安全性を調べる試験のこと」です。また「治験」という言葉は、「治療の試験」という意味です。
製薬会社は、結果を厚生労働省に申請します。そこで薬として承認されてはじめて、患者さんに使われるようになります。
1-4. 副作用及び不具合等報告制度
医薬品医療機器法では、製薬会社などの治験依頼者や治験を実施する医者は、厚生労働大臣へ治験中の副作用、不具合等の情報を報告することが義務づけられています。例えば、副作用を知った時から7日または15日以内に、PMDAへの報告が必要です。
PMDAとは、「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」です。このPMDAのホームページでは、治験情報の公開が行われています。
2. 治験バイトの死亡事故について
治験は、新薬を開発する上で非常に重要な枠割を果たしています。しかしその一方で、リスクがあるのも事実です。ここでは、過去の治験における死亡事故について解説します。
2-1. 日本にける治験バイトの死亡事故
2019年6月25日、20代の健康な日本人男性が、電柱から飛び降りて脳挫傷を負って死亡するという事故が発生しました。この男性は、エーザイ株式会社が医療法人相生会の墨田病院に依頼した抗てんかん薬候補物質であるE2082の国内第I相試験としてのヒト初回投与試験に参加していました。今回の事故は、被験薬の投与完了から5日目に発生しました。その結果、エーザイ株式会社は治験を中止しました。
この時に使用された治験薬と似た薬に自殺を企てる副作用があり、厚生労働省は「治験と死亡事故との因果関係を否定できない」と判断しました。その結果、この事故は治験による国内初の死亡例として扱われることになりました。
実はこの男性は、治験を終えた当日に再来院していました。そして、治験前にはなかった入院観察期間中の「幻覚」や「幻聴」の不調を訴えていました。しかしその受け答えがしっかりしていたため、容態は安定しているように見受けられました。そのため、医療機関側は経過観察という判断をしましたが、その翌日に事故は発生しました。
この死亡事故に関しては、再来院時に精神科等の医師に診察を受けさせるべきであったという指摘があります。また製薬会社側も、「精神科医等による診察ができる医療機関を選定する」か「治験責任医師・分担医師に精神科医等を含める」という対応の必要性が指摘されています。
2-2. フランスの治験死亡事故について
2016年1月、フランスの新薬治験において事故が発生しました。フェーズ1に参加していた被験者のうち、1名が死亡、5名が神経系合併症を起こしました。この治験は、動物実験の段階では問題はなかったものの、健康な成人を対象とした治験で死亡事故が発生しました。しかしフランス当局による情報の開示があまりされておらず、その原因ははっきりしていません。
2-3. 英国製薬史上最悪の治験事故
2006年3月、イギリスに抗体医薬「TG1412」の新薬の治験で、事故が発生しました。投薬直後、被験者6人全員がサイトカインストーム(免疫暴走)で次々と倒れました。また多臓器不全に陥り、一時は全員が集中治療室に入る事態に発展しました。その後全員退院しましたが、1名は壊死で手指を切断しています。
3. 治験モニターについて
3-1. 治験モニターとは
治験モニターとは、新しい薬や治療方法の効果や安全性を調べる臨床試験に参加する人のことです。謝礼は、「負担軽減費」もしくは「協力費」として受け取ります。この理由は、治験はアルバイトではなく、「臨床試験のボランティア」という位置づけだからです。ただし本記事では、一般的に定着している「治験バイト」の名称で表記します。
例えば治験の報酬は、所得税や社会保険料がかからず、満額受け取ることができます。ただし、会社員が本業の合間に治験モニターに参加する場合、報酬が年間20万円を超えると税金の支払いが生じます。そのため、確定申告を行う必要があります。
3-2. 在宅でできる治験モニター
結論から申し上げると、在宅でできる治験モニターはほぼ皆無です。ただし、化粧品モニターや健康食品モニターはあります。治験は薬や医療機器に対して使う言葉で、化粧品や健康食品の人に対する研究は「臨床試験」になります。つまり、承認を目的とした有効性と安全性を調べる試験が治験であり、侵襲性や介入を伴う試験が臨床試験です。治験も広義では、臨床試験の一種になります。
4. 治験バイトについて
4-1. 治験バイトとは
治験バイトとは、新しい薬を開発するための臨床試験のモニターのことです。これは先述した通り、正確にはアルバイトではなく、有償ボランティアになります。一般的に報酬が高く、無料で健康診断を受けれるなどのメリットがあります。
しかし、行動制限や副作用のリスクもあります。流れは、「説明会」「治験モニターへ応募」「事前の健康診断」「バイト開始」になります。例えば、高額な案件やバイトや日帰り、女性向けなど様々な種類があります。
4-2. 通院型と入院型の2つのタイプがある
治験バイトには、「通院型」と「入院型」の2種類があります。また開始前日もしくは当日に、「身長・体重」「体温・血圧」「採血・採尿」「心電図検査」などの健康診断があります。
通院型の場合、糖尿病などでは3ヶ月程度が多く、半年~1年のものもあります。通院頻度は、1週間に1回から1ヶ月に1回まで、各治験で異なります。入院型の場合は、主に大学病院やクリニックで行われています。負担軽減費として、事前検診には2,000~3,000円前後、入院後は1泊1~2万円が相場です。
4-3. 高額な治験バイトについて
高額な治験アルバイトには、どのようなものがあるのでしょうか。治験バンクに掲載されている求人を見ると、高額な治験バイトは「入院タイプ」が多い傾向があります。
例えば謝礼金が415,000円の募集は、20~44歳の神奈川県在住の男性が対象で、6泊の入院が必要です。また謝礼金が240,000円の募集は、40~75歳の東京在住の男女が対象で、変形性膝関節症の診断がある方限定です。条件は、1泊が2回で、通院は12回になります。
4-4. 大坂の治験バイトについて
大坂の治験バイトの求人としては、「治験コーディネーター」が時給2,000円~2,500円です。また「治験コーディネーターアシスタント」は、時給1,100円~2,000円です。さらに治験未経験の方が対象で、看護師や臨床検査技師といった職種も、時給1,800円~2,500円で募集があります。治験モニター(治験ボランティア)については、下記の治験サイトを参照下さい。
4-5. 東京の治験バイトについて
東京の治験バイトの求人としては、「医師」が時給10,000円~12,000円、「モニタリング支援業務」が時給3,000円、看護師が時給2,000円であります。また「臨床コーディネーター」は時給2,520円、治験の「事務アシスタント」は時給1,200円~2,000円で募集があります。
4-6. 治験コーディネーターとは
治験コーディネーターとは、医療機関と製薬会社、患者さんとの間に立つ職業です。そして薬の開発試験である治験がスムーズに進行するように、サポートを行います。治験の現場では、薬剤師の資格を持つ治験コーディネーターも多く、今注目されています。CRC(Clinical Research Coordinator)とも呼ばれ、治験業務において様々な役割を担います。
仕事内容としては、「治験内容の説明」「相談相手」「被験者のケアやサポート」などがあります。またそれ以外に、「治験業務フローの作成」「関連部門の調整」「治験担当医の補助」といった役割も担います。
5. 治験募集サイトについて
ここでは、治験アルバイトを募集しているサイトやそれぞれの特徴をご紹介します。
5-1. 生活向上WEB
「日本最大級の治験モニター総合サイト」が、この『生活向上WEB』です。会員登録し、治験モニターに参加すると、ポイントが貯まります。
紹介案件には、「治験モニター」だけでなく「健康食品モニター」や「美容コスメモニター」など色んな種類があります。
5-2. 医学ボランティア会JCVN
『医学ボランティア会JCVN』は、会員数が45万人の治験サイトです。「自分に合った治験の探し方」では、ログインした後の試験の詳細や、「治験の種類」「各都道府県」「性別」「年齢」での検索方法などが、解説されています。
また「血圧が高い方」「血糖値が高い方」「尿酸値が高い方」「脂質異常でお悩みの方」など、治験ボランティア・モニター募集案件が掲載されています。
5-3. 治験ジャパン
『治験ジャパン』は、基礎知識や体験談、よくある質問などコンテンツが充実しています。
また「治験開始から負担軽減費の受取まで」のページでは、非常にわかりやすく全体の流れが説明されています。
5-4. 治験ネット
現在募集中の治験アルバイトや臨床試験モニターが掲載されているのが、『治験ネット』です。グローバルメニューでは、「おすすめの治験」や「エリア別」「女性向け」「疾患がある方」に分けて紹介してくれています。
また「食品・化粧品モニタ」が掲載されているのも、大きな魅力です。
6. 治験の全体の流れ
6-1. 基礎研究/薬の候補選び:2~3年
まず最初に「薬の候補」となる物資を選びます。この薬の候補は、植物、土中の菌、海の生物、化学合成物質から発見された物質です。そして、「新規化合物の合成」「標的分子の探索」「スクリーニング」「製剤化研究」を行います。
これらの中から、目的とする作用を持ついくつかの成分を選びます。この工程は「基礎研究」と呼ばれ、通常2~3年の期間を要します。
6-2. 非臨床実験/動物で確認:約3~5年
動物や培養細胞を使って発見された新規物質(創薬候補物質)について、有効性や安全性を調査します。以前は、「前臨床実験」と呼ばれていました。
具体的には、「薬効・薬理試験」「薬物動態試験(ADME)」「安全性試験(毒性試験)」「製剤化試験」を行います。非臨床試験は、「動物実験」と「試験管内試験」の2種類に分けられます。
2-2-1. 薬効・薬理試験
薬効・薬理試験は、薬としての効果を確認する試験です。例えば、薬の「使用量」や「効果」、「使用方法」について研究します。
2-2-2. 薬物動態試験(ADME)
薬物動態試験とは、体内における薬の動きを検証する試験です。例えば飲み薬の場合、まず消化管から吸収され、血液を通じて組織全体に回ります。そして肝臓で代謝され、腎臓から尿に排出されます。そういった一連の働きを調べます。
2-2-3. 安全性試験(毒性試験)
安全性試験は、その名の通り、薬の安全性を検証する試験です。具体的には、実際に患者さんが使用した時に問題が発生しないか、副作用がないか等を判断します。また大量投与したときに、生理機能に望ましくない作用があるかも調べます。
2-2-4. 製剤化試験
製剤化試験は、薬の「溶解性」「代謝安定性」などを分析する試験です。体内で薬が早く溶けるにはどうしたらいいか、また安定的に長く保持する方法などを研究します。
6-3. 治験①/第Ⅰ相
ここからが、実際の治験の分野(3~7年)です。まずは少数の健康な方を対象に行います。具体的には、薬の体内での動きや副作用が起きないかを調べます。また抗がん剤の対象は、がん患者に限定されます。
6-4. 治験②/第Ⅱ相
今度は、実際の患者さん(少数)にご協力を頂いて行います。具体的には、薬の有効性と安全性を調べ、どんな使用方法が効果的かを検討します。
6-5. 治験③/第Ⅲ相
最終段階は、大人数の患者さんにご協力を頂き、実施します。そこで、薬の有効性と安全性を検討します。
6-6. 承認申請(1~2年)
治験の依頼者や実施者は、治験計画や副作用や不具合の情報を厚生労働大臣に報告する義務があります。具体的には、医薬品医療機器法で定められています。この場合の依頼者は製薬会社などで、実施者は医師または歯科医師です。
6-7. 承認審査
製造販売承認等が申請された品目について、調査を行います。具体的にはPMDAが、試験や治験がGLP・GCPに基づいているか、申請資料の信頼性が基準に達しているかを調査します。
7. 海外の治験ついて
7-1. 海外治験とは
海外治験とは、海外の医療施設で行われる治験のことです。その主な目的は、海外の製薬会社による日本市場での販路拡大です。例えば、大きな製薬会社の有名な薬であっても、日本で医薬品として使用する場合、必ず厚生労働省の認可を受ける必要があります。
海外治験に参加する場合、必ず参加条件を満たす必要があります。参加条件の例としては、「年齢」「性別」「BMI」などがあります。BMIとは、Body Mass Indexの略で、ボディマス指数といわれるもので、WHO(世界保健機構)が提唱する肥満を判断するための基準の一つです。
7-2. メリットについて
海外治験のメリットとしては、海外を楽しみながら、謝礼金をもらえることがあります。また、交通費や宿泊費を負担してもらえます。そして社会貢献につながるという側面もあります。
7-3. デメリットについて
海外治験のデメリットとしては、治験中の制限が挙げられます。特に入院タイプでは、行動に多くの制限が課せられます。また採血が多く、毎回同じ場所から採血するため、痛みを伴います。また、報酬は治験が完全に終了した後になります。
7-4. 海外治験の体験談
YouTubeには、海外治験バイトに関するコンテンツがアップされています。やはり高額な魅力や実際のシステムについて解説されている動画が多いです。
再生回数が多いものとして、『【年収1000万越え!?】海外治験の報酬とシステム、裏事情を聞いてみた』があります。実際の経験に基づいているのと、話者のキャラクターが誠実な感じで、安心して観れます。
8. まとめ
治験は、医療の進化には欠かせないものです。
新しい病気が出てくるたびに、その治療薬を作る必要があります。
そのためには、人権と安全性に配慮しながら、ルールに乗っ取った開発プロセスを経て、厚生労働省に承認される必要があります。
どんな物質がどんな作用をし、どんな病状に対してどんな効能・効果があるのか。また副作用やリスクはあるのか。
そういった新薬の最新情報は、薬剤師にとっても、重要な医薬品情報になります。
そういった情報にもアンテナを張ることは、患者さんとってベストな服薬指導や薬物療法につながります。