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薬物療法とは?がん薬物療法専門医やメリットデメリットも紹介!

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薬物療法

薬物療法とは、がんの治療や症状緩和、進行抑制のために行われます。がん治療の三本柱の1つで、これ以外に外科的な治療法の「手術」と放射線でがん細胞を消滅させる「放射線治療」があります。そして薬物療法の種類には、「化学療法」「内分泌療法」「分子標的療法」があります。また広範な領域の薬物療法で活躍する薬剤師を、薬物療法専門薬剤師といいます。

2021年にがんで死亡した人は、38万1,505人です。(※厚生労働省/「2021年の人口動態統計(確定数)」

日本では、2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなるといわれています。そのうち大きな原因は、喫煙(男性/約23.6%、女性/約4.0%)と感染(男性/約18.1%、女性/約14.7%)です。それほど、日本人にとってがんは身近な病気です。

本記事では、がんに関する薬物療法について解説します。

 

1. 薬物療法の概要

薬物療法

1-1. 薬物療法とは

薬物療法とは、薬の服用や注射によって、がん細胞の増殖を抑制もしくは消滅させる治療法です。その目的は、「治癒」と「延命・症状緩和」です。

がん治療の3本柱としては、この「薬物療法」と「手術」「放射線治療」があります。また、がんの薬物療法に使われる有名なお薬には「ジオトリフ」「タルセバ」「イレッサ」「シスプラチン」などがあります。

1-2. がん薬物療法専門医とは

がん薬物療法専門医は、幅広い臓器のがん薬物療法の知識と技術を持った専門医です。例えば、手術を行う外科医、がん専門の薬剤師、放射線療法を行う放射線科医などと連携して、治療にあたります。

1-3. がん薬物療法認定薬剤師とは

がん薬物療法認定薬剤師は、医療チームの中で薬物療法に関して医師や看護師に提案し、患者さんによりよい医療を提供できる薬剤師に認定される資格です。一般社団法人日本病院薬剤師会が、認定試験を実施しています。

1-4. 薬物療法のメリット

2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)氏

外科的な治療法である手術や放射線の照射による放射線治療は、局部的ながんに対する治療です。一方薬物療法は一箇所に限定されず、広範囲に治療できるのが最大のメリットです。

近年、薬物療法の進歩は目覚ましいものがあります。例えば、「免疫チェックポイント阻害剤」という新薬が登場しました。本庶佑氏ノーベル生理学・医学賞を受賞するキッカケにもなりました。この薬は、がん細胞によって抑えられていた免疫機能を再び活性化させます。その結果、がんが免疫によってやっつけられるようにする仕組みを持っています。

また以前は入院治療が多かったのですが、近年は外来で通院しながら治療できるようになりました。外来治療の場合、働きながら治療を受けることができます。

1-5. 薬物療法のデメリット

デメリットとしては、副作用があります。メリットの効果とデメリットの副作用のバランスは、患者さんによって異なります。例えば患者さんの体力が落ちている場合、副作用の方が大きくなり、体調を悪化させるリスクがあります。

 

2. 薬物療法の種類について

薬物治療の種類

2-1. 化学療法とは

化学療法とは、抗がん剤を使ってがんを治療する方法です。抗がん剤は、癌細胞の増殖を抑え、再発や転移を防止する効果があります。

この化学療法は、転移の場合や、広範囲に治療が必要な血液やリンパの癌にも行われます。抗がん剤の単独治療だけでなく、手術治療や放射線治療などとの組み合わせ治療もあります。

また一種類の薬剤だけを使う場合と、数種類の薬剤を組み合わせて治療する場合があります。薬の種類は、飲み薬や点滴、注射のものがあります。

2-2. 内分泌療法(ホルモン療法)とは

女性ホルモンの一種であるエストロゲンを減少させたり、乳がん細胞内のエストロゲン受容体とエストロゲンが結びつくの妨害し、がん細胞の増殖を防ぎます。ホルモン受容体陽性乳がんの場合、患者さんの再発率を最大半分程度に減らすことができます。

2-3. 分子標的療法とは

従来のお薬は、異常な細胞と正常な細胞の両方を攻撃的に作用します。一方分子標的薬は、病気の原因につながる特定の分子だけを選んで攻撃するというメリットがあります。

例えば従来の抗がん剤は、がん細胞だけでなく、正常な細胞の増殖も抑えてしまいます。吐き気や皮膚のしびれといった副作用が出るのは、このためです。分子標的薬はがん細胞だけを攻撃するため、副作用が抑えられるメリットがあります。

 

3. 薬物療法の副作用について

薬物療法の副作用

3-1. 殺細胞性の抗がん剤と主な副作用

殺細胞性の抗がん剤は、細胞分裂が活発な細胞に作用するという特徴があります。そのため、正常でも細胞分裂が盛んな場所に障害が起こりやすくなります。具体的な副作用としては、「吐き気」「おう吐」「骨髄抑制」「脱毛」「口腔粘膜炎」「下痢」「便秘」「肝機能障害」等があります。

3-2. 分子標的薬と主な副作用

分子標的薬は、薬の標的がピンポイントで定まっています。しかしその標的は、がん細胞だけではなく、正常細胞にも存在します。主な副作用としては、「発熱」「皮膚障害」「肺障害」「高血圧」「肝機能障害」「下痢」があります。また症状が出る時期については、個人差があります。

3-3. がん免疫治療薬と主な副作用

免疫治療薬は、自分自身の免疫機能が過剰に働いてしまう場合があります。その結果、自己免疫疾患のように、正常細胞も攻撃を受ける可能性があります。副

作用としては、意識や全身の症状として「集中力が落ちる」「だるくて動けない」、呼吸症状では「咳」「息切れ」「発熱」「息苦しさ」があります。またお腹の症状としては「下痢」「血便」、高血糖症状では「のどの渇き」「多飲」「多尿」、皮膚では「発疹」「目の充血」「口腔粘膜炎で我慢できない痛み」などがあります。

3-4. ホルモン療法薬と主な副作用

ホルモン療法薬は、ホルモンの生成や分泌が抑えられます。主な副作用としては、更年期障害の「ほてり」「のぼせ」、骨粗鬆症、肝機能障害の「だるさ」「黄疸」、勃起不全などがあります。

 

4. まとめ

近年、治療対応や患者さんと家族の抱える問題を解決するために、チーム医療による支援があります。

チーム医療とは、一人の患者さんに複数のメディカルスタッフが連携して、治療やケアに当たることです。そして治療だけでなく、薬物療法による外見の変化に対する支援や、治療費、仕事、療養環境や家族の悩みなど、療養生活に対するサポートが受けられます。

病気の治療だけでなく、その後の生活の質を上げる仕組みを理解することも大切です。

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