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オンライン服薬指導とは?ニコムスやクリニクスも活用しましょう

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オンライン服薬指導

オンライン服薬指導とは、薬剤師がスマートフォン等のデバイスを活用し、ビデオ通話で実施する服薬指導です。薬局まで行かなくても、好きな時間と場所で服薬指導を受けれます。自宅で受ける場合、人の目を気にしなくて良いのもメリットです。

従来医薬品の処方は、薬剤師による対面服薬指導が原則でした。しかし2015年以降、離島や遠隔地へのニーズに対応するため、実証実験が開始されました。そして2019年の改正薬機法により、全国で実施が可能になりました。また2023年3月31日通称0410対応が出され、2023年8月以降は改正薬機法に沿った実施になりました。

本記事では、オンライン服薬指導について詳しく解説します。

 

1. オンライン服薬指導について

オンライン服薬指導

1-1. オンライン服薬指導とは

薬剤師 オンライン服薬指導

新型コロナウイルス感染症をキッカケに、ヘルスケアのDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。対面のコロナ感染を防止でき、医療機関が近くにない方でもサービスを受けれます。

わざわざ病院や薬局、クリニックに行く必要もありません。例えば、自宅でリラックスした状態で、好きな時間に説明を受けることができます。仕事や育児で忙しい方でも、気軽に診療を受けれます。

またPCR検査で陽性反応が出てしまい、薬を宅配にしたい方や、インフルエンザにかかったお子さんを薬局に連れて行きたくない方にも便利です。

オンライン服薬指導では、薬剤師が各種デバイスを活用して薬の飲み方を説明します。具体的には、「効能」「副作用」「飲み合わせ」「食事との相性」などが説明されます。

1-2. オンライン薬局とは

オンライン薬局は、スマホやビデオ通話アプリを活用し、薬剤師から薬の説明などの服薬指導を受けることができる仕組みです。自宅にいながら相談ができ、自宅に薬を届けてくれることもできます。

 

2. オンライン服薬指導の流れについて

オンライン薬局

2-1. 病院や診療所で受診する

オンライン診療・服薬指導アプリCLINICS(クリニクス)

病院や診療所で受診する場合、「対面服薬指導」か「オンライン服薬指導」を選ぶことができます。この時に、オンライン服薬指導を申し出ましょう。また受診前に、オンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS(クリニクス)」にアカウント登録しておきましょう。

この後病院や診療所は、処方箋をCLINICSにアップロードします。そうすることで、患者さんは希望する調剤薬局に処方箋を送れる状態になります。ちなみに、CLINICSはオンライン診療用のシステムとしては、現在最も使用されているものです。例えば、「東京大学医学部附属病院(東大病院)」や「東北大学病院」などの中核病院でも使用されています。

また日本調剤のオンライン薬局サービス「NiCOMS(ニコムス)」も有名です。

2-2. アプリで検索し、処方箋を薬局に送る

CLINICS 病院検索

アプリ上で処方箋を受け取った患者さんは、希望する調剤薬局をアプリから検索しましょう。そしてオンライン服薬指導を申し込みましょう。

申し込みを受けた調剤薬局は、受付を行います。具体的には、医療機関がアップロードした「処方箋」「保険証画像」「問診データ」を受け取ります。

2-3. オンライン服薬指導の実施

オンライン診療

患者さんの予約が完了したら、薬剤師は処方箋の内容を確認します。またレセプトの入力や、医薬品を棚から取り出して必要数集めます。そして受付の時間になったら、ビデオ通話を開始します。そこでは通常の対面と同じ内容の服薬指導を行います。

説明のポイントとしては、「薬の名称」「効能・効果」「用法・用量」「副作用」「飲み合わせ」などがあります。また飲み忘れた時の対処法や、治療完了後のお薬の扱い方も説明します。

2-4. 会計はクレジットカードで決済

オンライン診療 決済

服薬指導が完了すると、患者さんは負担額と配送料をシステムに登録しましょう。

そうすることで、事前に登録された患者さんのクレジットカードで決済が行われます。

2-5. お薬の配送

オンライン診療 お薬の配送

服薬指導が終了すると、薬剤師はお薬を梱包し、配送業者へ配送を依頼します。オンライン診療のメリットは、自宅にいるだけで、お薬を受け取れることです。

 

3. 今後の実施要件は改正薬機法に沿った形に

オンライン診療

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、オンライン服薬指導の実施を時限的、特例的に認めたのが、「0410対応」です。しかし、2023年7月31日をもって0410対応を終了するとの連絡が2023年3月に厚生労働省より出されました。背景にあるのが、新型コロナウイルス感染症の5類への移行です。

0410対応の場合は、音声のみでの通信方法も可能でした。しかし、改正後薬機法では不可となります。また改正前薬機法では初回のみ対面で服薬指導を受ける必要がありました。しかし0410対応と改正後薬機法は、初回でもオンライン服薬指導が可能です。

また0410対応と改正後薬機法では、診療報酬や算定要件が異なります。0410対応にそったオンライン服薬指導の場合、旧調剤報酬点数表による薬剤服用歴管理指導料を算定するのが基本です。処方箋の受付1回につき43点、それ以外の場合は57点を算定します。

スマートフォンなどのデバイス使ったオンライン服薬指導の場合、現行の薬機法や服薬管理指導料4の算定要件に従う必要があります。この場合、原則3ヵ月以内に再度処方箋を持参した患者さんに45点、それ以外の患者さんには59点を算定できます。

 

4. まとめ

オンライン服薬指導は、サービスを提供する薬局・薬剤師側にも患者さん側にも、メリットが多いシステムです。働き方もリモート型が普及し、医療の診察も、オンライン診療がどんどん普及することが見込まれます。

そうした中、薬剤師の仕事領域の中では調剤業務だけでなく、対面コミュニケーション能力がより重要になるでしょう。患者さん側から選ばれる薬剤師になることは、勤務する薬局の売上げにも直結します。

専門的な知識だけでなく、患者さんの服用歴や病歴を分析し、いかに最適なサービスを提供できるか。これは全ての士業にいえることですが、IT及びDXの普及は、従来の立地の優位性から、よりサービス力へ優先順位が移行すると予想されます。

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