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薬局のホームぺージとは?DX推進と同時に集客と採用が重要です

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薬局業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが推進されています。その意義は、デジタル技術の活用による更なる質の高い医療サービスの提供です。例えば受診や薬の処方、調剤、報酬請求等の業務において、効率化と安全性の向上が図れます。

また調剤薬局の経営の大きなテーマは、集客と採用です。集客力は売上に直結し、採用力はサービス力につながります。その2つの機能を強化する要がホームページです。本記事では、DX推進における薬局ホームページについて解説します。

1. 薬局のホームページの必要性について

1-1. 1位から3位で全体の50%

インターネットが普及した今、人々が情報を調べる時、スマートフォン検索が80%弱です。日本では、Googleがスマートフォン及びタブレットで7割以上を占めています。つまり、Google検索に表示されることがとても重要です。

また検索表示順位によっても、ユーザーの注目度は大きく変わります。例えばBackinfo社の2024年4月の分析によると、Google検索1位は全クリックの27.6%を占めています。続いて2位が15.8%、3位が11%です。つまり1位が30%弱、1位から3位で全体の50%以上を占めています。

これらの数字から、いかにGoogleの自然検索表示が重要かおわかりになって頂けると思います。検索順位は露出効果という側面だけでなく、信頼性にも影響力があります。検索上位表示を実現するためには、充実した情報が必要不可欠です。上位表示は、「ここのホームページはしっかり作り込んでいる」とユーザーに思ってもらえるのです。

1-2.「地域名+薬局」は集客効果大

では一般のユーザーは、どのようなワードで検索するのでしょうか。特に重要な検索ワードが、「地域名+薬局」です。例えばあなたが新宿区に引っ越してきて、風邪を引いたとしましょう。薬局で薬を買いたい場合、「新宿 薬局」で検索するのではないでしょうか。もしくは「最寄り駅+薬局」というパターンもあるかも知れません。

例えば、Googleマップ向けの地図エンジンで検索結果が上位に表示される施策をMEOといいます。これは、「ローカル検索」や「ローカルSEO」ともよばれます。

薬局のように実店舗を持ち、地域社会と深い関わりを持つ業態は、MEOはとても重要です。Googleが2015年に提唱したマイクロモーメントでは、興味深い調査結果が示されました。そこでは、消費者が「知りたい」「買いたい」「行きたい」と感じたとき、スマートフォンでの検索を通じて消費行動を起こすことが確認されています。このMEOの需要は、今後更に高まることが予想されます。

1-3. 薬剤師採用にも影響が大きい

優秀な薬剤師の採用は、薬局のサービス力に直結します。薬剤師が採用できるかどうかは、薬局のホームページが大きく影響します。

ご存知の通り、多くの薬剤師転職希望者は転職サイトで求人情報を探します。例えば、「マイナビ薬剤師」や「ファーマキャリア」、「ヤクマッチ」「ファルマスタッフ」「お仕事ラボ」などがあります。そこで報酬や立地、制度を確認し、応募候補をピックアップします。その次に、個別の薬局のホームページで詳細な情報を収集します。

ここで重要になるのが、「どんな人が」「どんな働き方をし」「何にヤリガイを感じているか」です。転職希望者が気にしているポイントを理解した薬局のホームページは、薬剤師を採用できる確率が大幅にアップします。求職者のニーズを把握し、ホームページに反映させる効果は非常に大きいといえます。

2. 薬局のホームページの掲載事項について

平成6年度調剤報酬改定に伴う届出や名称変更に伴い、薬局内の掲示事項についても変更が必要となりました。また掲載事項は、原則として令和7年(2025年)までにホームページに掲載する必要があります。なお、ホームページを所有しない医療機関は対象外です。

記載例については、「薬局内掲示事項の記載例について」で詳しく紹介されています。ぜひ、参考にして下さい。

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3. 薬局のホームページのコンテンツ

集客及と採用の両面において成果を出すためには、ターゲットユーザーのニーズを意識したコンテンツ設計が必要です。ここでは、それぞれの視点から求められるコンテンツのポイントを解説します。

3-1. 新規顧客獲得で売上を拡大

売上を伸ばすためには、お店への集客が必要です。そのためには、その地域に住むターゲットユーザーが知りたい情報を、できるだけ広範囲に丁寧に掲載する必要があります。この場合のターゲットユーザーとは、診察希望者や薬を買いたい方です。

例えばサービス内容でおさえるポイントには、「市販薬」や「健康食品」、「かかりつけ薬剤師」や「在宅医療」「栄養相談」などがあります。また「営業日」や「営業時間」、「休診日」や「最寄り駅」、「行き方」も大切です。近年は「お問い合せだけでなく、「LINEの活用」も効果的です。

例えばLINEの公式アカウントは、それを活用することでリアルタイムでコミュニケーションが図れます。また簡単に情報発信ができ、処方箋の受付もできます。日本人の多くが使用しているLINEは、薬剤師と患者さんの重要なコミュニケーションツールです。

3-2. 優秀な薬剤師を採用する

「もっとキャリアアップを図りたい」「年収を上げたい」「結婚で転居することになった」…薬剤師の転職理由は、千差万別です。そんな各人の思いに対して、「ここで働きたい!」と思ってもらえることが採用効果につながります。

では、具体的にどんなポイントをおさえる必要があるのでしょうか。上記のマイナビ薬剤師によると、転職希望者が「転職前に知りたいこと」のランキングは以下になっています。

<転職希望者が知りたいことランキング>
1位 年収、月収、手当などお金について/82.5%
2位 職場の雰囲気/71.9%
3位 休日・休暇について/67.5%
4位 職場年齢構成・人数/59.5%
5位 残業時間/52.0%

これらの転職希望者が知りたいことを、薬局のホームページでできるだけ詳しく掲載するのがポイントです。特に人気のコンテンツは、在職中の薬剤師のインタビューです。

多くの大手の採用サイトでは、「職種」や「キャリア」別のインタビュー記事がアップされています。その目的は、ターゲット像に近い人物像を掲載することで、共感性を高められるからです。

4. 薬局のホームページをおしゃれにするポイント

おしゃれな薬局のホームページは、患者さんの第一印象を良くする効果があります。また信頼感を与える上でも重要です。ただしあまり個性的過ぎるデザインではなく、清潔感と安心感を重視しましょう。

4-1. 清潔感があるシンプルなデザインに

4-1-1. 色のトーン

全体の色のトーンとしては、白を基調としながら、薄めのパステルカラーをアクセントに活用します。そうすることで清潔感と温かみを表現することができます。

4-1-2. 文字のフォント

薬局のホームページの文字のフォントは、読みやすいゴシック体や明朝体がおススメです。あまり装飾し過ぎないシンプルなフォントにすることで、読者が文章を読むストレスを軽減できます。

4-1-3. レイアウト

伝えたい情報を整理し、見やすいレイアウトにすることが重要です。ホームページのデザインにおいては、見た目の美しさだけでなく、ユーザビリティが求められます。ユーザーが知りたい情報に迷わずにたどりつけることで、離脱率を下げる効果があります。

4-2. 高品質な画像を使用する

4-2-1. オリジナル写真の効果

薬局のホームページは、新規で訪れる顧客や転職希望者にとっては内覧ニーズがあります。そういった人々は、「薬局の中はどんな雰囲気なんだろう」という気持ちで閲覧します。その時イメージ写真ではなく、実際に撮影した写真が効果的です。

ただ全ての薬局がカメラマンの撮影を入れることは不可能でしょうから、実際には組み合わせることになるケースが多いと思われます。その場合、メイン写真には美しいイメージ写真を使用し、各論で実際の撮影写真を入れるのがおススメです。

4-2-2. スタッフ写真は採用効果大

採用面から薬局ホームページを考えた場合、スタッフの写真はとても重要です。転職希望者は、スタッフの写真やインタビュー記事から多くの情報を読み取ります。例えば、年齢構成、雰囲気、キャリアの考え方、職場の人間関係などです。

そういった情報をアピールできる薬局は、どんどん訴求することをおススメします。そうすることで、求人サイトの広告パフォーマンスを向上することができます。

5. まとめ

ドラッグストアの多くは調剤部門を持っており、多店舗経営によって人員と在庫を共有することができます。しかもドラッグストアは、一般用医薬品や健康食品、ドリンクなども販売できます。ポイント制なども導入し、薬が出るまでに買い物をしてもらうというビジネスモデルが確立しています。

一方調剤薬局で利益を確保するには、門前で1店舗経営では厳しいかも知れません。例えば内科系患者さんが1日30人、薬剤師1人、事務1人が採算ラインでしょう。つまり人員を他の店舗と共有するために、2店舗薬剤師3人以上が必要と考えられます。

しかも、調剤報酬の改定ごとに薬局の収益は上がる傾向にあります。そうした中安全な薬局経営を実現するためには、ホームページの重要性がより高まると予測されます。

集客し、LINEで顧客管理し、かかりつけ薬剤師やオンライン服薬指導を推進していく。また最新の一包化機械やレセコンで生産性を向上する。そして薬剤のグロス購入で、仕入れコストも下げる。薬局のホームページは、そういった経営の近代化の核の一つとなると思われます。

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