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おしゃれな薬局ホームページとは?その機能と事例を紹介します

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おしゃれな薬局ホームページは、患者さんの信頼感を得ることができます。いうまでもなく、ホームページは患者さんとの接点であり、”薬局の顔”です。そのため、ブランディングにとっても重要です。

例えばその機能には、信頼感だけでなく、新患集客、サービス告知、薬剤師採用などがあります。今や、7割以上のユーザーがスマートフォンで検索する時代です。そのため、スマートフォンの画面で見やすくすることも大切です。

本記事では、これからホームページを作成しようとする薬局の方々の役立つポイントを解説します。参考にして頂ければ幸いです。

1. 薬局業界の現状と今後のポイント

薬局業界の現状と今後

1-1. 薬局の種類

薬局には、「保険調剤(処方箋)を扱う薬局」と「保険調剤(処方箋)を扱わない薬局」の2種類があります。

「保険調剤(処方箋)を扱う薬局」は、一般的に「調剤薬局」と呼ばれます。例えば、「保険薬局」や「処方箋受付」の看板がある薬局がこれに該当します。患者さんは、健康保険給付の一環として、原則3割の自己負担で薬の提供を受けることができます。

一方保険調剤(処方箋)を受け付けていない薬局は、薬剤師が患者さんの状況を聞いた上で、薬を販売します。ただし、薬代は健康保険適用外のため、全額自己負担になります。

また漢方薬局や零売薬局の中にも、保険調剤(処方箋)を受け付けている薬局があります。そして近年は、「調剤併設ドラッグストア」も増加しています。

1-2. 調剤報酬額の改定の影響

近年、調剤報酬額が厳しく改定されています。2018年と2022年の調剤報酬改定では、門前薬局と大型チェーン薬局を対象に「調剤基本料」の引き下げが実施されました。その結果、対象になった薬局は大幅な利益減少を余儀なくされました。このように、薬局の収益は年々厳しくなっています。

1-3. 難しい薬剤師の採用

令和5年3月の薬剤師の有効求人倍率は、2.17倍でした。つまり薬剤師の求職者1人に対し、2件以上の求人が出ている状況です。また薬局が増加傾向にあるのも、薬剤師の採用激化の原因になっています。薬剤師国家試験の合格者数の動向から長期的には緩和される予測があるものの、薬剤師不足を感じている薬局は多いようです。

1-4. 対人業務へのシフト

2024年度の調剤報酬改定は、医療・介護・障害福祉の3報酬同時のトリプル改定です。その背景には、いわゆる「団塊の世代」が75歳以上になる2025年問題があります。今後薬局には、地域包括ケアシステムの推進や医療DXがより求められるでしょう。その中で薬剤師の業務内容は、より対人業務にシフトすることが予想されます。

1-5. より身近になるオンライン服薬指導

2020年9月の改正薬機法では、薬剤師の服薬フォローが義務化されました。また2020年度の診療報酬改定で、「調剤後薬剤管理指導加算(30点)」が新設されました。そして2022年4月の改正薬機法では、患者さんはいつでもオンライン服薬指導を利用できるようになりました。例えば映像及び音声による対応で、どの診察の処方箋でも可能になりました。

これらの流れを受け、薬局での薬剤師の業務は、より患者さんに向き合う流れが加速しています。その中で患者さんとの円滑なコミュニケーションと業務の効率化をどう両立するかが、薬局経営の重要テーマになりつつあります。

2. おしゃれな薬局ホームページが持つ機能

おしゃれな薬局ホームページの重要性

2-1. 薬局としての信頼感を与える

今や誰もが、どんな調べものでもインターネットで行う時代です。例えばスマートフォン経由での検索者は、7割以上を占めます。そこで検索に表示されるかどうかは、薬局としての信頼感に大きな影響があります。

薬局にとって、ホームページは患者さんとの最初の接点であり、「顔」でもあります。安心できるホームページがあることで、医療機関としての信頼感につながります。

2-2. 新規の患者を獲得できる

おしゃれな薬局のホームページには、集客効果があります。ただしドメインを取得し、ホームページを作成して、サーバーにアップするだけでは効果は見込めません。新規の患者さんを獲得するためには、SEO対策が必要不可欠です。

医院ホームぺージ作成の教科書』という書籍では、新患獲得のシミュレーションが紹介されています。それによれば、新患一人を獲得するためには、クリニックの場合は20PV、歯科科医院で40PVが必要とのことでした。薬局の場合も、最低30~50PVが必要と考えていいでしょう。

2-3. オンライン診療の高まり

2-3-1. 10~20代女性の利用率が上昇傾向

2023年6月、LINEリサーチ社は「オンライン診療」の流行予想調査を発表しました。それによると、オンライン診療の利用率が10~20代女性で上昇傾向にあります。また同社の以前の調査では、「オンライン診療を知っている」という回答は全体の86%でした。ただし、実際に利用したことがある人は全体の12%程度でした。

2-3-2. データ活用事例

例えば日本調剤は、オンライン薬局サービス NiCOMS(ニコムス)を展開しています。その10万件以上あるオンライン服薬指導のデータから、オンライン利用動向を予測しています。例えば欲しい薬では、1位は「花粉症・鼻炎の薬」で29.3%でした。また2位は「風邪・コロナ・インフルエンザの薬」で25.9%でした。このように、効果的なデータ活用事例も出てきています。

2-4. 優秀な薬剤師の採用効果

「薬剤師採用」で検索すると、1P目に求人情報や転職サービスだけでなく、薬局の採用サイトが表示されます。このように、採用サイトに力を入れる薬局が、近年増加しています。

薬剤師の長期的な全体需給バランスは、飽和状態に向かっています。ただ大事なポイントは、地域差が大きいということです。東京などの都市圏では薬剤師は多いですが、沖縄県や福井県、青森県などは人口あたりの薬剤師は減少傾向にあります。つまり地方の調剤薬局では、薬剤師の新卒及び中途採用ニーズは今後も高いといえます。

3. おしゃれな薬局ホームページのコンテンツ設計

おしゃれな薬局ホームページ コンテンツ設計

3-1. サービス内容

調剤薬局分析レポート』では、興味深い事実が浮かび上がっています。これは2022年7月から8月に、門前薬局100店舗に100名が覆面調査で行ったものです。その中の上位3つの選択基準を、以下にご紹介します。

<薬局を選ぶ基準>
1位/「待ち時間が短い」:64%
2位/「病院との距離が近い」:59%
3位/「店内が綺麗・清潔感がある」:48%
4位/「職員の感じが良い」:47%
5位/「いつも行く薬局である」:26%

つまり、上記のポイントをホームページで訴求すれば、新患獲得の可能性が高まります。例えば「アイン薬局」は、東京大学医学部附属病院の研究棟の中にあり、毎日200名の患者さんが訪れます。そこで「お待たせしない薬局」を実現する取り組みをしました。

具体的には、薬局で薬を受け取る工程を7つに分け、まず入口部分である処方箋入力スタッフを増員しました。次に、処方箋の内容別の仕分けを機動的に動かすようにしました。また種類ごとにカウンターを使い分けるようにしました。その結果、患者さんの待ち時間を50%削減することに成功したのです。

これは一例ですが、「薬局を選ぶ基準」を意識したホームページ作りをすれば、新規の患者さんを取り込むことができます。ホームページは24時間眠らずに動くので、優秀な広報マンとして稼働してくれます。

3-2. 採用情報

サービス内容ページの役割が「新規顧客獲得」とするならば、求人情報ページは「人材採用」の要の部分になります。全国で約6万の薬局で約18万人、約8,300の病院で約5.4万人、約10.3万の診療所に約5,800人の薬剤師が働いています。

そして多くの薬局では、薬剤師の採用に苦労しています。そのため、薬局のホームページの採用情報はとても重要です。例えば大手ドッグストアの多くは、専門の採用サイトを持っています。

採用情報ページでは、求職者のニーズを意識したコンテンツが成果を左右します。特に重要なポイントは、募集要項ではわからない現場情報です。例えば職場の雰囲気やスタッフ同士のコミュニケーションなど、求職者が気になる部分をできるだけコンテンツ化します。

薬局ホームページの理想の採用情報は、”バーチャル職場見学”の機能を果たすことです。ページを読み込むことで、「どんなスタッフが、何にヤリガイを感じ、どのように働いているか」が感じてもらえることを目指しましょう。例えば、「先輩社員のインタビュー記事」や「ある日の一日」、「オフの過ごし方」などは人気の高いコンテンツです。

3-3. 店舗案内情報

店舗案内情報は、住所や電話番号だけでなく、営業時間や休診日も入れます。また最寄り駅からの行き方や所要時間も入れると親切です。例えばGoogleマップや行き方のルートのイラストがあると、よりわかりやすくなります。

3-4. 会社概要

会社概要では、薬局の概要やビジョンなどを掲載します。社長メッセージを入れると、トップの考え方がわかるので、より親近感を持ってもらえる効果があります。

3-5. お問合せ&LINE活用

薬局のホームページは、業務の効率化を図るツールにもなります。例えば、近年増加しているのがLINEの活用です。LINEは日本で9500万人(2023年3月末時点)が利用しており、国民的コミュニケーションツールです。

LINEの公式アカウントを活用すれば、患者さんとリアルタイムでコミュニケーションが取れます。また薬局から情報発信ができ、LINEで処方箋の受付などもできます。またお問合せフォームは、最低限設置しておきましょう。

4. おしゃれな薬局ホームページのデザイン事例紹介

4-1. クオール株式会社

クオール薬局

クオール株式会社のホームページは、青を基調にしたみやすいデザインです。TOPのスライダー部分では、「マイナ受付」「処方箋LINE受付」「採用情報」「在宅医療」が訴求されています。また新型コロナウイルスの医療用抗原検査キットの販売店舗一覧もPRしています。

スマートフォン画面での見やすいデザインと、導線設計が両立されているのも特徴です。例えばポイント部分は太字で表現し、高齢者でも迷わないデザインになっています。また新患獲得に直結する店舗案内は、「エリア」「フリーワード」「サービス」の3軸で探せます。GPS機能をONにしている場合、「お近くのクオール薬局を探す」ボタンで店舗一覧が表示されるようになっています。

「LINE登録」の告知のクオリティの高いです。緑色の「今すぐLINE登録」だけでなく、「処方箋の待ち時間短縮」や「配送サービス」、「オンラインでのお薬の説明」などのメリットが説明されています。総合的に非常に完成度の高い作りになっています。

4-2. 日本調剤

日本調剤

全都道府県に調剤薬局を展開しているのが、日本調剤株式会社です。このホームページのデザインは、白を基調に、余白が効果的に使われ見やすくなっています。

TOPメイン画像では、「かかりつけ在宅医療」「採用情報」「お薬手帳プラス」「健康チェックステーション」が訴求されています。このお薬手帳プラスは、日本調剤の電子お薬手帳です。例えば薬局で受け取ったお薬の服用や飲み忘れの管理、処方箋を事前に薬局に送信する機能、マイナポータルとの連携機能などをスマートフォンやPC上で利用できます。

来店促進の仕掛けとして、店舗検索がメイン画像のすぐ下に配置されています。また「エリア検索」だけでなく、「駐車場」「土日祝営業」「キッズスペースあり」「19時以降も営業」等の患者さんが気になるチェック項目が表示されています。リアル店舗への誘導が念入りに設計されています。またお役立ちコラムも非常に充実しています。

4-3. 株式会社アガぺ

株式会社アガぺ

福岡県を中心に調剤薬局80店舗を展開しているのが、株式会社アガぺです。白とピンクを基調にしたトーンで、温かみが感じられるデザインになっています。

TOPのメイン画像では、「地域のかかりつけ薬局」「信頼」「患者さんのために」というキーワードが訴求されています。また採用サイトにも相当力を入れています。例えば、「薬剤師新卒」「薬剤師中途」「医療事務」の3部門のエントリーがあります。

ユニークなのは、「研修・キャリアアップ」で、新人さんの声を紹介していることです。例えば「新人研修で同期と仲良くなりました」「みんなアットホームです」「社長もきさくで明るい方です」といった、職場の雰囲気がわかる内容になっています。

4-4. 株式会社エスマイル

株式会社エスマイル

白をベースにしながら、緑をアクセントにした落ち着いたデザインなのが、株式会社エスマイルです。グローバルメニューも、「メッセージ」「会社情報」「事業内容」「店舗紹介」「新着情報」と最もオーソドックスなスタイルです。

例えば店舗紹介は、中国地方に100店舗展開しているだけあって県別カテゴリーで、その下に市別に分類されています。また事業内容は、「調剤薬局事業」「在宅医療事業」以外に、中国地方らしい「離島・僻地医療事業」が掲載されています。

注目すべきは、採用情報です。例えばカテゴリーは、「新卒採用」「インターンシップ」「キャリア採用」「ウェルカム・バック採用」に分けられています。ウェルカム・バック採用とは、「以前働いたことがある」「新卒の時に選考を受けた」「説明会に参加した」といったつながりを重視した採用です。これは、非常にユニークな取り組みだと思われます。

4-5. 株式会社ユーアイファーマシー

株式会社ユーアイファーマシー

「町のかかりつけ薬局を目指して」というタイトルとともに、ワクワクするイラストが印象的なのが、株式会社ユーアイファーマシーです。このホームページの大きな特徴は、NEWS記事が非常に充実していることです。例えば、「入社式」「DX推進」「開局のお知らせ」「インターンシップ」など、トピックスが豊富です。

またグローバルメニューに「研修制度」があるのも珍しいです。新入社員から中堅社員・店舗主任、管理薬剤師・薬局長へのキャリアイメージがつきます。また研修の実際の様子の写真もアップされていて、見る者に安心感を与えるように工夫されています。

5. まとめ

薬局のホームページは、患者さんとの最初の接点であるだけでなく、人材採用においてもその成果を左右するほど重要です。今回ご紹介した薬局ホームページの事例においても、様々な採用ページのパターンがあります。

従来の調剤業務だけでなく、今後は在宅医療やオンライン服薬指導など、コミュニケーション業務がより重要になります。またLINE等を活用した顧客管理や情報発信も必要不可欠です。

そういう意味では、薬局のホームページは”薬局の将来像”を表しているといってもいいでしょう。

おしゃれな薬局ホームページデザインについては、『薬局のホームページデザインとは?おススメの事例もご紹介します』でもご紹介しています。こちらも、ぜひ参考にして下さい。

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