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薬の一包化とは?メリット・デメリットから費用例まで解説します

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薬の一包化

薬の一包化とは、服用時期が同じ薬や1回に複数の錠剤を服用する時、まとめて1袋にすることです。そうすることで、飲み間違いや錠剤の紛失を防ぐことができます。

現在、日本では超高齢化が進んでいます。また認知力低下による服薬コンプライアンス低下、残薬増加等が問題になっています。その解決策の一つが、薬の一包化です。

本記事では、薬の一包化について解説します。

 

1. 薬の一包化とは

分割調剤

一包化(いっぽうか)とは、用法が同じ薬剤を一袋ずつパッケージにする調剤方法です。病院から処方されたお薬を保険薬局で受け取る時、服用するタイミングごとに包装し直すことができます。その場合、薬剤師が処方内容に合わせて、1回分ずつパックし直します。その場合処方した医師の指示が必要となり、薬局から処方医師に了解を取ってから行います。

例えば一包化には、患者さんの以下のような場合があります。

一包化に適した条件例
① 複数のお薬を飲む時間が、朝・昼・夕など同じ場合
② 何種類もの錠剤を一度に飲む場合
③ 薬剤を取り出しにくい場合

患者さんの保険によって、自己負担額は異なります。また「吸湿性」や「遮光性」など、薬剤の特性によっては一包化ができないものもあります。

 

2. 一包化作成の流れとは

一包化作成の流れ

2-1. 一包化作成にかかる時間

お薬を一包化する場合、短期の日数分だと5~10分で完成します。また長期の日数分や、お薬の種類が多い場合、30~60分かかる場合もあります。平均的には、20~30分程度かかります。

2-2. 一包化作成の流れ

2-2-1. 処方内容の確認

お薬を一包化しても問題ないかどうか、処方内容を確認します。一包化に適さない薬としては、以下のようなものがあります。

薬の名前 適用される症状 適さない理由 
アスパラカリウム錠 低カリウム血症  湿気に弱い
エビリファイOD錠  統合失調症  湿気に弱い
キプレス錠 気管支喘息/アレルギー性鼻炎  湿気や光に弱い
グルコバイ  糖尿病  湿気に弱い
バファリン配合錠A81  心臓病  湿気に弱い

2-2-2. 作業書の作成

一包化をするための作業書を作成します。

2-2-3. 複数の医薬品を収集

一包化するための医薬品を、集めます。具体的には、処方箋に記載されている医薬品を棚から必要数だけ取り出して集めます。この時、「薬の種類」「重量」「数量」をしっかりと確認します。この作業を、「ピッキング」といいます。

2-2-4. 分包機にデータ入力

袋に分けて袋詰めしてくれる分包機に、データ入力します。分包機は、調剤薬局や院内調剤を行う動物病院などの施設には必須な装置です。

2-2-5. 薬の分包

分包機で、薬を分包します。例えばPTPシートに入っている薬は、指で押して機械のマスに入れていきます。

2-2-6. 色分け作業

分包されたパックに色分けが必要な場合、色分けをします。例えば飲み間違いを防ぐために、「朝食後/黄色」「昼食後/赤色」「夕食後/青色」のようにパック上部にマジックで線を引きます。

2-2-7. 間違いがないか最終確認

分包された薬が間違っていないかどうかの最終確認を行います。例えば作業書と処方内容や、使用された薬の種類、パックされた薬の内容などをチェックします。

 

3. 一包化のメリットとは

一包化のメリット

3-1. 飲み間違いや飲み忘れがなくなる

超高齢化社会が進む日本では、70代や80代の方で、ご自宅でお薬を服用されている患者さんが多数います。また糖尿病や高血圧、心疾患や脂質異常症など、複数の疾患をお持ちの方も多数います。

例えば東京都健康長寿医療センターの調査では、6割の高齢者が3つ以上の慢性疾患を抱えています。 そうすると、どうしても服用するお薬を間違えたり、忘れてしまうことが起こります。一包化は、そういったミスを防ぐ対策になります。

3-2. 錠剤を紛失しなくなる

通常、お薬は病気の数だけ処方されます。例えば70歳以上の高齢者の場合、6種類以上のお薬を使っていることもあります。厚生労働省の調べでは、75歳以上では約4人に1人が7種類以上のお薬を受け取っています。

それも、服用方法が同じとは限りません。そのため、服用方法のお薬を一つの袋にまとめることで集約化でき、紛失を防止できます。

3-3. 介助者の負担が減る

患者さんの服薬負担を軽減するための対応策として、内服薬の一包化があります。特に介護の現場では、患者さんへのお薬投与の負担度は、体位変換や衣類の着脱介助と同じぐらい大変との報告もあります。また一日の服薬回数が多いほど、正しく服用されにくい傾向があります。

そういった点を踏まえると、患者さんのお薬を一包化することで、介護者の負担軽減と服用の正確化を推進できます。

3-4. PTPの誤飲を防止する

一包化 PTPシート誤飲防止

取り出されたPTPシート(※日本薬剤師会資料より)

例えば、「1錠単位に切り離した薬を、PTP包装のまま飲み込んでしまった」といった事故が発生しています。こういった場合、患者さん自身が自力で取り出すことはほぼ困難です。またX線写真に写りにくく、内視鏡で取り出すことになります。そのため、体への負担も大きくなります。

こういったトラブルを防ぐため、高齢者や誤飲の可能性のある患者さんには、一包化による処方を検討することが推進されています。

 

4. 一包化のデメリットとは

一包化のデメリット

4-1. お薬の受け渡しに時間がかかる

一包化の作業は、まずお薬を包装から全て取り出します。そして1つ1つを専門の機械で詰めていきます。こういった流れを経るために、どうしてもお薬の受け渡しに時間がかかってしまいます。

待ち時間をなくすためには、予め予約しておくのが賢明です。

4-2. 薬剤の保存期間が短くなる

先述した通り、一包化の作業ではまずお薬を包装から取り出します。そのため、お薬がどうしても外気に触れてしまいます。その結果、未開封時よりも薬の保存期間が短くなってしまうという側面があります。

4-3. 個別のお薬の名前が分かりにくくなる

一包化する作業では、PTPやヒートから薬剤を取り出します。そのため、見てすぐに何のお薬か、わからなくなる可能性があります。普段は、PTPの包装の色で判別している患者さんもいらっしゃるでしょう。しっかりとご自身で服用管理できる方は、一包化しない方が良い場合もあるでしょう。

 

5. 薬の一包化料金とは

薬の一包化料金

5-1. 薬の薬の一包化料金例

では薬の一包化料金には、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか。以下は、保険が適用される場合の参考金額です。

条件 費用金額(目安)
 42日分以下の場合の一包化の参考料金  7日分ごとに340円(34点)
43日分以上の場合の一包化の参考料金  一律2400円(2400点)

5-2. 薬の薬の一包化費用シミュレーション

以下は、28日分を一包化した場合と、50日分の一包化した場合の費用シミュレーションです。

保険が適用されて、1~3割負担になります。あくまで目安としてお考え下さい。

シミュレーション 費用金額(目安)
28日分の一包化の参考料金  340円/週✕4週✕保険1割負担=136円
50日分の一包化の参考料金  一律2400円✕保険1割負担=240円

 

6. まとめ

一包化は、効率的な服用手法の一つといえます。

ただその運用において欠かせないのは、患者さんに対する服薬指導やフォローアップです。例えば、服用忘れを防ぐお薬カレンダーやお薬ケースなどとの併用も効果的です。

また介護者の方には、「外来服薬支援制度」を活用した「外来服薬支援」の活用も有効です。

このような便利なツールや制度を組み合わせることで、患者さんにとってより安心できるお薬の一包化が運用できます。

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