1. あ行
1-1. 医薬部外品
医薬部外品とは、「人体に対する作用が緩和なもので、機械器具等ではないもの」です。例えば、「吐き気」や「口臭」、「体臭防止」「育毛」に対する有効成分が含まれている商品です。薬局だけでなく、薬剤師がいないコンビニエンスストアやスーパーでも販売が可能です。薬機法では、以下の目的のための製品と定義づけられています。
① 吐きけ、その他の不快感、口臭、体臭の防止
② あせも、ただれ等の防止
③ 脱毛の防止。また、育毛や除毛
④ 人や動物の衛生を保つための、ねずみ・はえ・蚊・のみ等の駆除又は防止
1-2. 医薬分業
医薬分業とは、薬の処方と調剤を、医師と薬剤師が分担して行うことです。1977年、当時の厚生省が37ある国立病院に完全分業を指示したのが始まりです。2020年に処方箋受取率は75%を超え、処方箋発行枚数は8億枚を超えています。
1-3. オンライン診療
オンライン診療とは、遠隔診療のことです。具体的には、スマートフォンやタブレットを活用し、「予約」「問診」「診察」「処方」「決済」を行います。また「通院時間が要らない」「24時間予約可能」「好きな場所で診察できる」「院内感染回避」といった患者さんのメリットがあります。
一方、診察する側の医師や医療機関にも多くのメリットがあります。「患者さんとの会話の増加」「通院継続率のUP」「診療方針の容易化」「遠方患者ケア」「事務負担軽減」などです。現在では、「CLINICS」「YaDoc」「CARADAオンライン診療」「ポケットドクター」など多くのサービスが出てきており、今後更に発展していくと予想されています。
2. か行
2-1. かかりつけ医
かかりつけ医とは、健康に関することを何でも相談できる医師です。具体的には、「最新の医療を熟知」「専門医を紹介してくれる」「地域医療」「福祉も担う」機能を持つ医師です。
自分の過去の病歴や服薬歴、治療歴を熟知しているお医者さんを作ることで、診断や治療の精度が上がります。また大病院で初診で受診する場合、かかりつけ医の紹介状が必要になります。
2-2. 血清
血清とは、血漿からフィブリノゲンを除いたもので、通常は黄色味を帯びた透明な液体です。また血清は、基礎培地で細胞を培養するための成長因子や接着因子、ホルモン、脂質、ミネラルの供給源として重要です。
さらに血清は、細胞膜の浸透性も調節します。脂質や酵素、微量栄養素、微量元素を細胞に運搬する役割を果たします。
2-3. 抗インフルエンザ薬
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザが体内で増殖するのを抑える薬です。早期に治療することで、重症化を防ぐことができます。有名な薬としては、「タミフル」「リレンザ」「イナビル」「ラピアクタ」などがあります。服用方法としては、1日2回朝夕食後です。
3. さ行
3-1. ジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品とは、厚生労働省の認可を得た新薬と同じ有効成分を含む医薬品です。例えば、新薬が発売されてから数十年経っているジェネリック医薬品には、味が改良されていたり、飲みやすくなっているものもあります。日本では医療費の効率化を図るため、ジェネリック医薬品の使用が推進されています。
3-2. 処方箋
処方箋は、病気の治療に必要な「薬の種類」や「量」、「服用方法」が記された書類です。医師が作成し、薬剤師が確認して、調剤します。「調剤薬局」「保険薬局」「処方箋受付」の薬局で扱います。以下が記載されており、有効期限は発行日を含めて4日間です。
① 患者の氏名・生年月日・性別・保険者番号
② 医療機関名・処方した医師の名前・連絡先
③ 薬の名前・形状(錠剤、カプセル剤他)、量、1回あたりに飲む量、飲むタイミング等
④ ジェネリック医薬品への変更について
⑤ リフィル処方箋について(利用可否と利用可能回数、調剤日と次回来局予定日)
3-3. 調剤薬局システム
調剤薬局システムとは、電子薬歴システムやレセコンなどの総称です。電子薬歴システムは、患者の「薬歴表紙」や「監査情報」、「過去の薬歴」が一度の表示できます。またレセコンは、レセプト(診療報酬明細書)を作成するためのコンピュータです。
医薬分業を背景に、医師と薬剤師、患者の三者の情報共有化の需要が高まっています。例えば、自治体によっては患者がスマートフォンで薬手帳を確認できるシステムを導入している例もあります。
3-4. ステロイド外用薬
ステロイド外用薬(塗り薬)は、塗った部分の炎症を抑える効果があります。「湿疹」や「皮膚炎」などの皮膚疾患の治療に、幅広く用いられています。また塗る部分によって吸収率が異なるため、部分ごとに強さの異なるステロイドを使い分けるという特徴があります。
4. た行
4-1. 治験
治験とは、将来薬になる可能性のある化合物などを用いて、成績を集める臨床実験のことです。例えば治験参加期間中は、薬代や検査、画像診断料等の費用は、製薬会社が負担します。
4-2. 電子処方箋
電子処方箋とは、オンライン資格確認の仕組み(オンライン資格確認等システム)を基盤とした「電子処方箋管理サービス」を通して、医師・歯科医師、薬剤師間で処方箋をやり取りする仕組みです。
例えば運用方法としては、医師・歯科医師が処方箋を「電子処方箋管理サービス」に送信し、薬剤師がその処方箋を薬局のシステムに取り込み、お薬を調剤します。調剤結果は、重複投薬や併用禁忌がないかのチェックなどに活用されます。
4-3. 調剤報酬
調剤報酬とは、薬剤師が調剤したときに発生する報酬のことです。点数は1点=10円の点数からなり、薬局の収入になります。また調剤報酬は、大きく「調剤技術料」「薬学管理科」「薬剤科」「特定保険医療材料」から構成されています。薬剤師が提供するサービスへの対価である調剤報酬は、2年に1度見直されます。
5. な行
5-1. 認定栄養・ケアステーション
認定栄養・ケアステーションとは、日本栄養士会から認定されている施設で、栄養ケア活動を提供する地域の拠点です。医療施設向けには、「栄養食事指導」や「在宅訪問栄養食事指導」、「居宅療養管理指導」を行います。また都民向けには、「栄養講演会」や「調理講習会」、「料理教室」「栄養刊行物の発行や監修」などを行います。企業向けには、「家族向け栄養セミナー」や「社員食堂献立アドバイス」などを行います。
6. は行
6-1. ブリッジング試験
ブリッジング試験とは、ブリッジングスタディの別称です。海外で行われた治験データが、日本でも代用できるかどうかを検査する臨床試験です。例えば、新薬の「有効性」や「安全性」、「薬物動態」等のデータが、国内データと一致するかどうかを調査します。
7. ま行
7-1. 門前薬局
門前薬局とは、病院の目の前(門前)にある調剤薬局です。病院でもらった処方箋を持っていくと、保健薬を受け取ることができます。不特定多数の病院から処方箋を受け取る形態を、「面分業」といいます。一方、特定の病院から処方箋を受け付ける形態を「点分業」といいます。門前薬局は、点分業に該当します。
8. や行
8-1. 薬機法(やっきほう)
薬機法とは、正式名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。2014年11月25日、薬事法から改正されました。薬事法では、医薬品等の効能や性能に関する虚偽広告を制限しています。薬機法の広告規制に違反した場合、2年以下の懲役や200万円以下の罰金(あるいは両方)が科される対象となり(同法第85条第4号)、かつ、措置命令(行為の中止など)が下される対象にもなります(同法第72条の5)。
8-2. 薬局サーベイランス
薬局サーベイランスとは、全国47箇所の調剤薬局から日々送られてくる調剤情報を集計し、感染症の発生状況を推測するシステムです。公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズの4者を共同運用者として実施されています。全薬局の20.17%(10,064薬局)をカバーしています。これらの情報を基に、薬局サーベイランス日報として毎日ホームページに掲載されています。
8-3. 薬事申請
薬事申請とは、厚生労働省に対し、医薬品等の製造や販売の承認をもらう公的文書の申請業務のことです。例えば、対象としては医薬品、医療機器、一般医薬品、コスメ、化粧品などがあります。申請するにあたっては、開発理由や経緯、品質、試験方法やデータを記す必要があります。最近は、オンラインのFD申請(フレキシブルディスク申請)の利用が増えています。
9. ら行
9-1. リフィル処方箋
リフィル処方箋とは、定められた一定期間内に繰り返し使用できる処方箋のことです。ただ新薬や向精神薬、麻薬など、投薬量が制限されている医薬品や湿布薬は、リフィル処方箋は使えません。その他の薬についてリフィル処方箋で処方できるかどうかは、医師の判断によります。